ノコギリヤシは日本には、生息していない植物なので、殆どの方がノコギリヤシの事は知らないと思いますので、まずは、基本的な事を紹介しておきます。
ノコギリヤシは、北アメリカ南東部が原産地で、海岸地の松林や砂丘に生息している、ヤシ科の植物で、ハーブの一種です。
現在も、多くが北アメリカに自生し、アメリカやヨーロッパなどで、様々な用途に使われています。
ヤシ科というと大きな木を想像してしますが、ノコギリヤシは低木です。 しかし、その名の通り、ギザギザになった、45cm-1mに広がる、大きな特徴的なノコギリ状の葉を持っています。
古くから、北アメリカに住むインディアンはノコギリヤシの実を、食用として、また、男性が強壮効果があるとして利用してきました。
1960年頃から、アメリカやヨーロッパで、本格的な研究が始まり、多くの臨床実験が行われ、有効性が確認されてきました。
また、ノコギリヤシは中国でも棕櫚子と呼ばれ、古くから効能が知られており、治療薬(漢方)として利用されてきました。
多くの研究や、臨床試験が行われた結果、ドイツやフランスでは、前立腺肥大症の医薬品として使われ、 その他のヨーロッパ諸国や、アメリカなどの国でも、副作用の少なさから発毛・育毛サプリメントとして、多くの人に利用されています。
日本では、あまり知られていませんでしたが、最近、さんま氏のテレビ番組で、発毛効果が紹介された事により、にわかに注目を集め、育毛の効能を期待したシャンプーなども販売されています。
男性ホルモンは、主に「テストステロン」という物質で出来ています。
このテストステロンの作用により、筋肉のある強い体を作り、体毛を濃くして男性らしさを作ります。
よく勘違いされるのですが、テストステロンは、髪を薄くしたり、前立腺を肥大させる事はありません。
では、いったい何が悪さしているのでしょうか?
人の体内には、5αリダクターゼと呼ばれる酵素が存在しています。
この酵素が、大事なテストステロンをジヒドロテストステロンという物質に変えてしまうのです。
このジヒドロテストステロンがクセ物で、下記の影響を与えるのです。
ジヒドロテストステロンが、髪の元となるタンパク質合成を阻害したり、皮脂を過剰に分泌させて毛穴を詰まらせます。
その結果、薄毛や抜け毛といった症状を起こすのです。
ジヒドロテストステロンの影響で、前立腺の内部で必要以上のたんぱく質が合成されます。
ノコギリヤシは、5αリダクターゼ酵素を抑制する事で、過剰なジヒドロテストロンだけを減らしてくれるのです。
ジヒドロテストロン自体を無くす医薬品もありますが、ホルモンバランスが崩れ、性欲減退や低血圧といった副作用が報告されています。
しかしノコギリヤシは、5αリダクターゼ酵素の働きを弱め、過剰なジヒドロテストロンの発生だけを抑制するので、副作用が少ないと言われています。 |
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